1999年、新規の注文住宅部門を発足させたあるハウスメーカー様から「少人数で多くの物件数を、しかもかなりの広範囲を管理しなくてはならず、インターネットを利用して効率よく現場管理が出来ないものだろうか」という御相談をいただきました。地域は東京、埼玉、千葉、神奈川、群馬の1都4県にまたがり、関係業者63社の全面的な協力をベースに共同開発体勢を敷きシステムの模索が始まりました。
この頃はまだインターネットへのインフラも整備途上の段階で、現在(2006年)とは格段の差がありました。作るものも見えず、さらに出来上がるかすらわからないプロジェクトに当然予算が付くはずも無く、無償での開発という形でのスタートでした。
今で言うWebカメラのような、「現場にカメラを設置していつでも見えるようにしたらどうだ」と言う意見も出て検討がなされました。「人の居ない現場に高価なパソコンなど置いて大丈夫か」とか「上棟したら次は中が見たいがカメラは動かすのか」など映像の配信をするのにパソコンが必要だった頃の話です。そしてカメラの設置には問題が多すぎて次の案が考案されました。
「現場では写真を撮っているのでこの写真をインターネット上で関係者がいつでも見るようにしたどうだろう」とい意見が出され、この意見が元でGenbaeye(ゲンバアイ)の原型が生み出されていきます。
“現場で撮影した画像を会社に戻りパソコンを使って特定のサイトへアップロードする。”このたった1行の概要を実際のシステムとして実現、実装していく過程で、数多くの乗り越えなくてはならい問題が山積していることを知りました。
実際の作業を行う現場サイドの職人様方のパソコンの知識レベルも含め、一番の問題点が浮き彫りになってきました。その問題点とは「画像をアップロードする行為を如何に分かりやすく簡素化していくか」というものでした。実はこのテーマが発足当時からまた現在も含めGenbaeye(ゲンバアイ)の中核をなしていくことになります。
まず当社のWebサイト内に専用のアドレスを設け、特定のユーザーへのログイン環境を作りました。先のテーマを解決する為に、JPEGの画像をアップロードする専用のプログラムを作成し、協力業者様方へ配布いたしました。このときのアップロードを分かりやすく簡素化していくツールはその後進化を果たし、現在では専用のプログラムではなく、DdPicVer3(2006/07)というActiveXの形でGenbaeye(ゲンバアイ)に実装されています。
DdPicVer3では、ファイル名ではなく画像を目で確認しながらファイルエクスプローラからインターネットエクスプローラへのドラッグ&ドロップだけで画像の選択が行え、その場で指定された画像のサムネイルを確認でき、そのままボタンの1クリックで画像のアップロードが出来るところまでに進化しています。
そしてこの画像アップの簡素化が他社のサービスとの大きな差異になっています。